豊富なカラーバリエーションとクリアで柔らかな輝き トパーズの魅力、特徴と歴史

続いての天然石紹介はトパーズです。日本語では黄玉と呼ばれ、かつては黄色が代表的な色だったトパーズですが、近年では処理技術が発達したこともあり、赤、橙、青等様々な色味のものが手に入ります。また原石は柱状で条線と呼ばれるタテの筋が入るのが特徴です。今日はそんなトパーズの魅力に迫ります。

 

トパーズの魅力と特徴

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・透明度が高く、クリアで柔らかさのある色合い

トパーズは自然界で大きく結晶が成長するとひし形の断面を持ち、細長い柱状の面に縦の条線と呼ばれる線が現れるのが特徴です。

 

トパーズは含有する成分のうち、水酸基(OH)とフッ素(F)のどちらを多く含有するかでOHタイプとFタイプに分類されます。

OHタイプの方が希少なため高価で、Fタイプとの屈折率の違いから輝きも強く長時間光に当たっても色あせにくい特徴があります。

2004年に導入された業界団体のルールにより、OHタイプのトパーズであれば"インペリアルトパーズ"の呼称を使えるようになりました。

伝統的にはインペリアルトパーズといえば特に希少性の高い赤みを帯びたオレンジ色のトパーズのみが対象でしたが、今は色は関係なくなっています…ブランド品の定義が変わった感じで賛否両方あるようですが…。

 

トパーズは無色のもののほか、赤、橙、黄、青、藍色といった様々な色があるのはもちろん、近年の処理技術発展の恩恵を受け、ただでさえ豊富だったカラーバリエーションがさらに増えており、透明度の高いものを探しているのであれば、イメージする色合いの石に出会える確率は高いのではないでしょうか。

 

なぜトパーズには価値があるのか

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トパーズの主な生産国といえばブラジルやロシア、東南アジア諸国等となりますが、日本でも以前は採れていたそうです。

古代エジプトやローマ時代から使われていた宝石で、古代エジプトではその黄色が太陽神ラーを連想させるものとしてお守りのような役割を果たしていたようです。

 

ただし意外と中世ではそこまで好まれなかったようで、他の宝石と比べるとその活躍の歴史には濃淡があるというか、穴があるようです。

17世紀以降になると宝石商の旅行記等でその名前が再び現れ、19世紀ころにはヨーロッパでもイヤリングやネックレス等の装飾品に頻繁に使われるようになり、今の地位を確立したと言えそうです。

日本でも結婚16周年記念日は黄玉婚式としてトパーズを送る習慣もあるところにはあるそうですね。

 

トパーズの価値を決める大きな要素としては色が欠かせません。

豊富なカラーバリエーションを誇る石ではありますが、透明感のあるオレンジ色のいわゆる"インペリアルトパーズ"をはじめ、青系よりも赤系の方が希少で簡単に桁が変わるくらい値段には差がついているのが現状です。

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では青系のトパーズは魅力がないかというとそんなことはありません。

薄いブルーで空のように明るいスカイブルートパーズやもう少し青く鮮やかなスイスブルートパーズ、もっと色が濃く紺色がかったロンドンブルートパーズというように青と言ってもその濃度によってそれぞれ名称がつけられるほど親しまれています。

特にスカイブルートパーズはアクアマリンとも色がよく似ているため、透明感のある水色の石を探している場合には十分に候補に挙がってくる石だと思います。

 

他にも無色のホワイトトパーズに全面的に着色コーティング処理を施して万華鏡のような不思議な輝きを放つミスティックトパーズのようにこれまでなかったような石が出てきているのもトパーズの面白いところの一つだと思います。

色味を調整するための放射線処理どころではなく、どっぷり人工物になりますので天然石そのままの状態が好きな方にとっては価値がないものだと思いますが、人工でも見た目がきれいなら気にしない方であれば、一度は調べてみても面白いかと思います。

 

現状の枠組みではそこまで評価されないけど、自分にとっては好み…そんな石を見つけられればお得感を伴う、自分にとっての"良い買い物"ができそうですから、資産目的で購入する場合を除いては市場価値に引っ張られ過ぎずに自分なりの「好き」を大事にしていきましょう!